●物件探し -まず市内か郊外か、新築か中古かを決める。 -価格の高騰している市内を避けて郊外を選ぶ場合は、交通機関や夏冬の気象状況、病院などの公的設備などを事前に調査しておくべき。その上で現地の不動産業者を当たって、物件価格のめどをつける。 -中古ピソは業者を通すほうが無難。売り主との直接交渉は、売却益の所得税を買い手に支払わせようとするケースもあるので、金銭の授受や契約書、登記などの面で不備がないようかなりの注意が必要。また融資が完済されているかなど、個人では調べきれない点もあり、言葉と生活経験によほど自信のある人以外は不安。 -新築物件は、仲介業者を通さず建築現場のインフォメーション・ブースを訪ねる方が価格面で有利。支払条件、月々の維持管理費、ファサードやフローリングなど基礎資材のクオリティ等も確認すること。 -自治体などの公的援助を受けて建設される低価格住宅や、国の住宅助成を受けたVPO・VPTなどと称される低価のピソもある。マドリッドの場合、外国人でも2年以上住民登録をしていれば公団住宅の購入抽選に応募できる。 -地方の旧家や廃屋を購入し改築すると、公的な資金援助が受けられる場合もある。直接自治体の住宅課に当たってみよう。 ●住宅ローン -新築で物件にあらかじめ銀行融資が設定されている場合でも、優遇されているとは限らないので他行の融資条件もチェックしよう。 -住宅ローンには変動金利ローンと固定金利ローンがある。 -変動金利ローンは、基準金利であるMIBOR(マドリッド銀行間レート。現在3.3%前後)に1〜1.5%程度上乗せした金利が適用される融資で、 MIBORの変動に伴い定期的に金利が見直される。ピソ購入者の約9割が変動金利を選択するといわれる。銀行によっては、より大きな利ざやを稼ぐために、 MIBORを基準金利としない場合もあるので、必ずチェックしたほうがいい。 -固定金利は、平均5.2%前後で融資が受けられる。固定金利は潜在的な金利変動に左右されず返済計画も立てやすい反面、期間が限定される場合が多く、また解約時の手数料も高い。 -融資の申し込みには居住許可、支払能力を証明する雇用契約書の提出が必須。審査には数か月かかる場合もあるので注意。更に融資は物件価格の約80%程度が普通なので、頭金を含めた約20%は自己資金払いとなる。 -金融機関の融資開設手数料には要注意。銀行によっては低金利をアピールしておきながら、その分の損失をしっかり高手数料でまかなっている。 -融資期間途中の一括返済時に徴収される解約手数料にも注意。将来の収入増や相続などから一括返済があらかじめ分かっている場合は、解約手数料が無料の銀行を選ぶべき。 -以上の手数料のほか、登記や公証人などの費用も別途かかるので、前もって必要な手数料すべての金額を確認し、一覧表にしておくとよい。 -こうした手数料などの必要経費を反映させた実質金利がTAEであり、最終的な融資先の選考にはこの数字が基準となる。 -金利などの融資条件だけではなく、融資後の返済条件にも注意。取引実績は不問、低金利をアピールしておきながら、融資返済用に最低残高30万ペセタの預金口座を開かされ、最低残高をクリアーできない場合は月額手数料を徴収されるケースも。 -こうした融資条件は交渉可能。パンフレットの額面どおりに受け取らないこと。預金残高や公共料金の引き落とし、給与振り込みなどの実績があれば有利に話を運べる。地方の場合なら、その銀行と取引実績のある友人を介して交渉してみるといい。融資条件だけではなく、小切手の入金手数料や月々の口座管理手数料なども交渉次第では無料に持ち込める。 (岡崎伸太郎/岡崎&ベナベントアソシアードス) *OCSNEWS 1999年10月号NO. 161より抜粋