●盗難で揺れる国立図書館

【スペイン マドリッド 2007年8月30日】
 国立図書館から貴重な揺籃期本 (インキュナブラ:活字印刷術揺籃期の1500年までに作られた本) の世界地図が盗まれていたことが分かり、大きな波紋を呼んでいる。盗まれたのはギリシャの天文学者プトレマイオスの「宇宙学」(1482年印刷) に収められていた世界地図2点で、本の中からページが抜き取られていた。この本を閲覧できるのは同図書館の中でも研究者カード所有者に限られており、治安警察が捜査中。
 この盗難事件から3日後、ロサ・レガス国立図書館館長が辞任を表明した。2004年5月から館長を務めるレガス氏は辞任の理由を「モリナ文化相の信頼が得られないため」としている。レガス氏とモリナ文化相は24日の盗難発覚後に話し合いを行ったが、レガス氏によるとその際に「3年間何もしてこなかった」と文化相に非難されたという。
 波紋はそれだけに留まらなかった。29日にはレガス氏がカタルーニャ・ラジオのインタビューで「世界地図盗難の犯人は判っている。在アルゼンチン・スペイン大使のお墨付きを持った研究者」と明かしたのだ。在ブエノスアイレス・スペイン大使ラファエル・エストレージャ氏は直ちにこれを否定した。ただし、エストレージャ大使は今年1月に任命されており、レガス氏の発言が前任者を指していたのかどうかは定かではない。


●山林火災66%減少

【スペイン マドリッド 2007年8月30日】
 8月21日にカステジョン県レス・ウセレス付近で発生した山林火災は1,500ヘクタールを焼き、いまだ火勢は衰えを見せていない。消防や軍の隊員350人が消火に当たっているが、強風と暑さで勢いを増した火災はさらに広がる様相。
 今年の夏もほぼ毎日のように山林火災のニュースがあったが、これでも今年は雨が多かったため、昨年に比べて焼失面積が66.4%も減少した。直近10年間平均と比べても20%低い。500ヘクタール以上焼失した大規模火災は今年8件発生したが、昨年同期には52件もあった。火災件数も昨年の13,050件から6,031件に半減した。山林火災は気温が35度以上になると発生率が高まるが、今年は冷夏のおかげでカナリアス州を除く半島で火災発生が抑えられたと見られる。また、昨年11人の犠牲者を出したグアダラハラの山林火災以来、野外での焚き火を禁止する法令が出されたが、これも功を奏したと見られる。


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