9日に行われた上下院総選挙の結果、下院はPSOEが前回から5議席増やし、169議席を獲得。過半数(176議席)には達しないものの、サパテロ首相続投が決まった。他方、敗れはしたもののPPも5議席を伸ばす153議席を獲得した。特にカタルーニャで、PSC(カタルーニャ社会党)が1982年以来の25議席を獲得し、PSOEの勝利に貢献、急進的民族主義政党ERCが8議席から3議席へと減らす大敗を喫し、11議席を獲得(1議席増)したCiUがPSOE政権樹立に向けて鍵を握る存在になりそうだ。また、バスク州でもPSE(バスク社会党)が議席を増やし、1議席減らしたPNVを抜いて三県で最も多くの票を集めた。他方、PPは特にマドリッド、バレンシア、ムルシアで強さを発揮している。 PSOEとPPがともに票を伸ばし、左右両派の2大政党が拮抗する構図が強まる一方、小政党がそのあおりを受け、5議席から2議席まで議席を減らしたIUは、国会内で独自の会派を形成できなくなった。CHA(アラゴン党)やEAが姿を消す一方、PSOEを離れ、UPyD(団結・前進・民主主義)を結成したロサ・ディエス氏が、党結成から6ヶ月で国会に1議席を獲得している。投票率は、75.32%で、2004年には及ばないものの高水準となった。 開票の夜、党本部に姿を見せたサパテロ首相は勝利宣言を発し、「市民は明らかに新しい時代の幕開けを決めた。国家的案件について合意を探ろうとする、対立のない新しい時代である」と語った。 同時に行われたアンダルシア州議会選挙では、票を減らしてはいるもののPSOEが過半数を維持し、現職のチャベス知事再任が決まった。チャベス氏はこれが6期目となる。 下院選挙、投票結果 政党議席/得票率(前回議席) PSOE169/43.64%(164) PP153/40.11%(148) CiU11/3.05%(10) PNV6/1.20%(7) ERC3/1.17%(8) IU2/3.80%(5) BNG2/0.82%(3) CC2/0.65%(3) UPyD1/1.20%(-) Na-Bai1/0.24%(1) 【スペイン マドリッド 2008年3月10日】
選挙戦最終日にあたった7日、午後1時半ごろ、ギプスコア県モンドラゴン(人口約23,000人)で、PSOE元市議イサイアス・カラスコさんが、自宅を出て車に乗り込んだところを何者かに銃撃され、搬送先の病院で死亡した。前回の地方選で、候補者リスト6番目だったカラスコさんは落選し、今期は市議として活動してはいなかった。このため、バスク州政府内務局はカラスコさんに護衛をつけず、PSE(バスク社会党)が護衛をつけるよう提案したが、断っていたという。内務省はETAの犯行と断定。銃撃犯と車を運転をした者との二人組みによるものと見ている。 マラガでの選挙集会中に知らせを受けたサパテロ首相は直ちにマドリッドに戻り、PP首相候補ラホイ氏に連絡すると、この日の夜中まで続くはずだった選挙戦を繰り上げ終了。午後には国会に全政党が集まり、共同声明を発表した。 翌日、モンドラゴンの広場での黙祷の後、カラスコさんの長女、サンドラさんが声明を読み上げ、「父の死を悼む人は、みんな、投票してください」とうったえた。 【スペイン マドリッド 2008年3月10日】