特別国会での首相任命に先立って、8日、総選挙で勝利を収めた社労党 (PSOE) のロドリゲス・サパテロ首相候補が所信表明演説を行った。同候補は不況 (同首相候補によると「失速」) が予想される向こう2年間の経済を見据え、個人所得税 (IRPF) の400ユーロ一律控除、企業に対する援助策、建設業界へのてこ入れ、労働市場改革など一連の緊急対策を発表。たとえ経済難でもこれまでの財政黒字と経済改革をバックに、最低賃金や年金の引き上げをはじめとする公約した数々の社会政策を実施するための財源は確保するとした。社会問題としてはDVや移民問題に言及、移民政策の一つとして、失業した移民が祖国に戻る場合には失業金を一括給付することを提案した。また、全野党に対し、ETA (バスク祖国と自由) の対テロ政策、欧州外交政策、司法改革、自治州財政改革の4点を支柱とした合意を呼びかけた。 首相候補の演説を受けて演壇に立った第一野党民衆党 (PP) のラホイ代表は、サパテロ候補の挙げた経済・社会政策をことごとく批判。対外債務の多さやインフレの高さを指摘して、「スペインは経済危機に立ち向かえる状況にはない」「サパテロの経済対策は問題解決にならない」と断じた。水問題に関しては、「サパテロは水利計画を台無しにした」「エブロ川が地中海に水を垂れ流し続けているのは許し難い」とさらに語調を強めた。しかし、テロ問題や外交政策など基本となる国政問題に関しては、対話・合意に応じる用意があるとした。 特別国会は9日も引き続き行われ、少数派野党の各代表との質疑応答が行われた。その後、首相任命の是非を問う投票が行われたが、事前に野党のサパテロ候補支持が取り付けられなかったため、サパテロ候補は自党PSOEの169票の支持しか得られなかった。首相任命には全議席の過半数の支持が必要なため、11日に第2回投票が行われる。第2回投票では支持票が反対票を上回りさえすればよく、これをもってサパテロ候補が首相に任命される見通し。 【スペイン マドリッド 2008年4月9日】
2002年11月14日に起きた重油タンカー「プレステージ」号沈没事故から5年。政府はコルクビオン地方裁判所に、同号責任者に対する損害賠償請求を行った。それによると、損害賠償額は938,233,071 ユーロ。内訳は2005年に政府が見積もった損害額7億600万ユーロに、自治州・自治体の支出総計約1億6,300万ユーロ、損害賠償及び回収重油処理費用6,800万ユーロなど。しかし、フランス政府による損害賠償請求9,700万ユーロや、中央政府の援助金を受け取らなかった個人に対する賠償金1億ユーロは含まれていない。 【スペイン マドリッド 2008年4月9日】