2006年2月から2007年9月にかけて、マドリッドのドセ・デ・オクトゥブレ病院の集中治療室 (ICU) で、薬剤耐性菌の一つ、多剤耐性アシネトバクター・バウマニ (ABMR / Acinetobacter baumannii) による院内感染が発生し、少なくとも18件の死亡原因と見られることから、国家検察庁が調査に乗り出した。同病院に勤務する医師5人がスペイン感染症会議でこの院内感染について発表したところによると、感染患者数は252人にも上り、うち101人が死亡、死亡ケースのうち18件はABMRが原因の可能性が高い。ホアキン・マルティネス院長は、会見で院内感染を否定している。 アシネトバクター・バウマニは好気性グラム陰性桿菌の一種で、健康な人には無害だが、重病患者に感染すると肺炎や敗血症などを起こす。医療施設では抗生物質や消毒薬の多用から、薬剤耐性を獲得した菌が大量感染を引き起こすことがあり、除去が難しい。ドセ・デ・オクトゥブレ病院も院内感染発生から除去までに20ヶ月もかかっており、感染人数が252人にも上ったことを重視した検察庁が調査に踏み切った。 【スペイン マドリッド 2008年5月12日】
党重鎮メンバーの相次ぐ離反で危機が表面化した民衆党 (PP) だが、またしても内部分裂が露わになった。バスク民衆党代表のマリア・サン・ヒル氏が、6月の党大会で発表される党政策演説草稿準備メンバーを降りる声明を発表。理由は「根本的な意見の相違」とだけ説明している。党政策演説の草稿はラホイ代表の命によりPPカナリア支部のホセ・マヌエル・ソリア氏、アリシア・サンチェス・カマチョ上院議員、そしてサン・ヒル氏の3人が準備していたが、民族主義政党との新たな協力関係を築こうとするソリア氏の意見が通り、これに反対するサン・ヒル氏の意見は無視され、ラホイ氏もこうした対立を仲裁しようとしなかったためと見られる。PP内部では、ラホイ氏に対抗して代表選出場が噂されるエスペランサ・アギーレ・マドリッド州首長や、政界離脱を表明したエドゥアルド・サプラナ氏、アンヘル・アセベス氏、そしてサン・ヒル氏などを中核とする「強硬派」と、国会でPPが孤立するのを避け、民族主義政党と手を結ぼうとするラホイ氏を中心とする「穏健派」との間の確執が表面化している。 【スペイン マドリッド 2008年5月12日】